伝え方のヒント

主に仕事でのコミュニケーションについて、考えてみた。

「責任の所在」という言葉の正しい使い方

何か不祥事が起きた時、「責任の所在」という言葉が出てきます。
不祥事を起こした政治家や会社の経営者の記者会見などでよく耳にします。日々の仕事でも使われる「責任の所在」という言葉、「誰が責任をとるのか」という意味で使われる事がありますが、その使い方は好ましくないと思います。

 

「責任の所在の明確にする」目的は、犯人特定ではなく、原因追求と再発の防止

 

不祥事が起きた時の責任の所在という言葉の意味は「責任=役割を果たせなかった場合の責め」の「所在=存在、場所」→「役割を果たせなかった責めは何(個人・グループ・ルール)が関与していて、原因は何か」だと思います。

ミスが起きた原因を探る過程で、直接的にミスをした人が見つかったとしてもそこで終わらず、ミスをした人がなぜそのミスをしたのかという所に踏み込まなければ原因追求の意味がありません。直接的にミスをしたのはその人でも、その人への指示ミスがあったからかもしれませんし、マニュアルが適切でない可能性もあります。
責任の所在を明確にする目的は、原因究明と再発防止であるべきで、誰に責任を取らせるかを決めることではないと思うのです(誰かに責任を取らせるという事はあくまで手段)。
この事を業務に関わるすべての人が理解していないと、責任の所在を明確にする作業は、犯人探しや責任のなすりつけになってしまい、結局また同じ事が起こる事になってしまうと思います。

 

「責任の所在」は事後と事前で、その言葉の意味合いは大きく変わる


前述は「事後(=不祥事が起きた後)の責任の所在」ですが、「事前の責任の所在」という、「責任=役割を果たすべき事」の「所在=場所、存在」。つまり「果たすべき役割(担当任務)は何か」という意味合いもあると思います。

仕事をする上で、事前に責任の所在を明確にする事は必要不可欠な事です。責任の所在(担当業務)を明確にし、担当者が誰なのかよく分からない業務をなくす事で仕事を円滑に進める事ができると思います。モチベーションの点でも、事前の責任の所在の明確化は重要と思います。理由は簡単で、自分の仕事であるとも思えない仕事に対してプロフェッショナルな仕事はできないと思うからです。
そして、あまり想定はしたくないですが「事後(=不祥事が起きた後)の責任の所在」のためにもはっきりさせておくべき所と思うのです。

 

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