働き方のヒント

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「交渉の着地点を見つけるのが上手い人」はなぜ上手いのか?それは「最適な論拠」を導き出すのが上手いから。

「話をつける」という言葉があります。これは「交渉を納得できるなように導くさま」、「話し合いを何らかの形で結論に導くさま」といった意味があります。

「交渉の着地点を見つけるのが上手い人」は「話をつけるのが上手い人」と言えるのですが、このような人はなぜ着地点を見つけるのが上手いのか?それは「論拠」というものが関係しているのです。

 

「論拠」とは何か

 

「大辞林 第三版」には「論拠」とは「論証において、ある事実の真偽を判定する根拠となる事柄。」とあります。
ディベートでは「三角ロジック」という、「根拠(データ)」「主張」「論拠」の3つから相手の主張を整理する方法があるそうです。論理的思考の基礎となる考え方であるとも言われています。「三角ロジック」によると、「主張(自分の言いたい事)」とは「根拠(データ)」と、そこから判断された「論拠(主張に至った理由)」によって支えられているのです。

【会話例】仕事がとても忙しい中の昼時の会話
「もうすぐお昼だよ、牛丼が良いね」
「そうしよう」

(個人的に)よくある会話ですが、「もうすぐお昼である」という根拠(データ)が「牛丼が良い」という主張に直接つながる訳ではありません。「三角ロジック」で整理すると上記の会話には以下の理由が隠れています。

【根拠(データ)】「もうすぐお昼だよ」

【論拠(主張に至った理由)】
(今日は忙しくお昼を食べる時間もない)
(忙しいけど、何か食べたい)
(近くの牛丼屋で簡単に済ませれば、時間かからないし空腹も満たせる)

【主張】「牛丼が良いね」
[主張に対する同意]「そうしよう」

「もうすぐお昼」と「牛丼が良い」の間にはその主張に至った理由があります。これが「論拠」です(「行間」という呼び方もある)。ここで注目しなければならないのが「論拠は主張に対して絶対的な理由ではない」ということです。つまり論拠で結論は変わります。

 

たとえば「昼時になった。仕事はとても忙しい」という事実(根拠・データ)があったとして、あなたはどちらをどのように主張するでしょうか。

■主張A:休憩時間を削ってでも仕事を進めるべき
■主張B:休憩時間は削らずきっちり休むべき

2つの主張を三角ロジックで整理すると、以下のようになるかと思います

■主張A
【根 拠】昼時になった。仕事はとても忙しい
【論 拠】とにかく時間が惜しい、早く仕事を終わらせるべきだ
【主 張】「休憩時間を削ってでも仕事を進めるべき」
■主張B
【根 拠】昼時になった。仕事はとても忙しい
【論 拠】メンバーの疲労も考えると無理はさせられない
【主 張】「休憩時間は削らず休むべき」

同じ事実(データ)でも正反対の主張を導くことができます。
論拠をどのように考えるかがとても重要なるのです。

 

自分の考えに同意を得たいならどうするか

 

この「論拠」というものは日常生活で会話に盛り込まれることはなく、省略されることがほとんどです。しかし、状況を察して、即座に最適な主張を出せる人が実際にいます(空気が読める人なんて呼ばれます)。

論拠を周囲や相手の価値観や感情に合わせ、そこから主張を導き出すことで、自分の主張に同意を得やすくしているのです。

そのような人たちは(話をつけるのが上手い人)は「三角ロジック」における最適な「論拠」を導き出すための勘所が良い人であるといえるとのではないかと思います。


では、日々の仕事や日常生活で最適な「論拠」を導き出すためには、どのようにすればよいのでしょうか。それは相手の事をよく知るという事に尽きると思います。相手の近況や価値観を知ることが何より大事であると思うのです。最適な論拠を導き出す力は特別な才能ではなく、普段の何気ないコミュニケーションの中でこそ培われるものであると思うのです。

 

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