職場のコミュニケーション論

職場における、コミュニケーション由来のストレス解消の一助

仕事の属人化と標準化、モチベーションと効率。業務標準化を進める人に気にして欲しいこと

 「あの人がいないから仕事が進まない…」「この業務の内容はあの人しかわからない…」日々の仕事でこのような場面に遭遇することがあります。これは業務が〝属人化〟されているのでこのような事が起きるわけですが、組織として考えると〝属人化=その人がいないと仕事が進まない〟状態は、業務の進行上、様々なリスクにさらされる事になります。 

 

業務を属人化してしまう人はこんな人

 

仕事の属人化は「暗黙知の共有」がなされないために起こります。

業務を属人化してしまう人は、他人に任せるより自分でやってしまった方が早いと盲信したり、仕事をしている実感を得たいためについつい多くの仕事を抱えてしまのです。

仕事の標準化や後進育成など〝すぐやらなくても良さそうだけど、長い目でみるととても大事な仕事〟をどんどん後回しにしてしまいます。その結果、いつまでたっても〝属人化=その人がいないと仕事が進まない〟状況が続く…

属人化を招く人ほどそのことに気づかないので、おそらく業務属人化してしまう人の部下への教育方針は、「働く俺の背中を見て、体で覚えろ!」というふわ〜としたものでしょう。

 

属人化業務は「悪」であり、すべて「標準化=誰でもできるようにする」すべきなのか

 

属人化業務は悪かといえば、決してそういう訳ではありません。属人化されている事で効果を発揮する業務もあります。

●属人化が効果を発揮するケース

・知識やスキルに専門性があり、習得に時間がかかる業務

・個人の個性が効果を発揮する業務

・その場その場で対応を変えなければならない、不確定要素が多い業務

これらの業務では、標準化しようにも、形骸化した基本業務以外のイレギュラー業務について業務内容を洗い出す必要があり、仮に標準化できたとしてもその精度は低く、業務の質が下がってしまう可能性も高いです。

属人化業務にして良い業務と悪い業務があるのです。

 

仕事において、人の手が加わるかぎり、多かれ少なかれ属人化は起きます。

しかし属人化業務の全ては、特定の人にしかできない業務なのか、決してそういう訳ではなく、業務のいくつかは誰でもできるような事もあるはずです。

業務を細分化し、標準化をできるところのみ標準化していけば、例えば退職等による、ノウハウ喪失リスクを最小限にとどめることができるでしょう。

 

標準化は、すべての人を幸せにするのか

 

標準化を進めることで、属人化業務の担当者は自分が築き上げた業務を、取り上げられた気分になり、いい気分はしないでしょう。むしろモチベーションを著しく低下させることも大いにあり得ます。

無理に標準化を推し進めるのではなく、属人的業務の担当者をどのようにフォローするかを考えるべきと思います。

「その人らしさ」活かされる業務は「良い属人化」。こういう良い属人化はむしろ大切にしたほうが良いのです。働きがいが生まれ、職場に良い効果をもたらす事も大いにあると思うのです。

 

プライドをもってやっていた仕事をやたらに標準化しようとするあの人は、職務上位者からみれば効率を重んじる良い部下でしょう。ですが、現場を担う人間から見れば、これまでの仕事への誇りを簡単に踏みにじる嫌なヤツとしか見られないかもしれません。

標準化を進めるには、業務効率化への万能の手段では決してなく、それを進めるのは細心の注意が必要であることを肝に命じるべきなのです。