職場のコミュニケーション論

職場における、コミュニケーション由来のストレス解消の一助になれば、幸いです。

忙しそうなリーダーに「なにか手伝いますか?」と聞いたら「やりたい?」と笑顔で聞き返された

こういうケースに何回か遭遇したことありますが、ものすごい違和感を感じます。これやる人はリーダーとして不適格な感がして仕方ありません。

 

忙しそうな人を見て「なにか手伝いますか?」と聞くのは、手助けする「必要性」や「善意」だったりするのに、それに対して「やりたい?」と「意欲」を問う姿勢に違和感や滑稽さ、面倒臭さを感じていてしまうのです。「意欲」があるから手を差し伸べているのに、「やりたいならやらせてあげる」と思わせるのは、結構上から目線で、無駄なプライドを感じます。

 

 「やりたいなら、やらせる」「やりたくないなら、やらせない」という自主性や意欲を最重視した考えからの「やりたい?」という発言なのかもしれません。仕事において失敗を恐れない意欲やチャレンジ精神は不可欠なものですが、失敗できない仕事もあるわけで(どちらかというと、こっちの方が多い)、そこをリーダーが業務全体を俯瞰し、その責務や必要性をもって判断すれば良いものを、変に「意欲」を求め、仕事依頼の根拠を「意欲の有無」一辺倒とするのは、リーダーとしては安易と言えます。

 

事案の重要性や特性を考えずただ「やりたい人」を募るリーダーは、意欲重視のチャレンジ精神あふれる良いリーダーではなく、状況を俯瞰できていない、「安易なリーダー」であるといえるのです。

そもそも仕事っておおよそ面倒なものが多く、本当にやりたい!と思える仕事に出会えるのは数少ないのが大多数の現実です。表題の「安易なリーダー」に下手に意欲を見せたが故に、多くの仕事を「チャレンジ(押し付けられること)」させられないよう注意したいものです。

 

「意欲の問い方」で思い出すのがこの二つの発言です。

●MLBのイチロー選手がマーリンズと契約するときに球団から言われた

「いたいだけいてほしい」

 ●西武ライオンズの監督だった森祇晶氏が当時のオーナーに、契約するときに言われた

 「(監督を)やりたければどうぞ」

 

この言葉は似てはいますが、意味するところは全く違います。

「いたいだけいてほしい」は球団から契約継続の決定をイチローに委ねられているのに対し、「やりたければどうぞ」は契約継続の決定はオーナーが握っていて、オーナーのプライドの高さも感じます。イチロー選手と森監督はこの言葉を受け取ってどのように感じ、次のシーズンへのモチベーションをどのようにあげていったのでしょうか。

 

つまりは意欲の問い方にも状況判断や言葉のセンスが必要なのです。

 

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