職場のコミュニケーション論

職場における、コミュニケーション由来のストレス解消の一助になれば、幸いです。

「阿吽(あうん)の呼吸」の作り方

曖昧な言葉で苦労している人多いと思います(←自分もそう)。少なくとも曖昧な言葉で苦労した経験を持つ人は、自身が指示する・説明する立場になった時、伝達不良による、時間の無駄な浪費を防がなければならないと切に願うところです。

 

できるなら「阿吽(あうん)の呼吸」で仕事をしたい

 

多くを話さなくても、相手の考えが手に取るようにわかり、そして相手も自分の考えをよく分かってくれている…いわゆる「阿吽(あうん)の呼吸」で仕事できる状況は、とても理想的であると言えます。ですがそれは稀な事で、実際には、「阿吽(あうん)の呼吸ができる」ていると勘違い、もしくはそんな状況を期待しながらやり取りをして事が多いのではないかと思います。

 

価値観や言葉の捉え方は、人によって大きく異なる

 
「〇〇みたいな感じ‥」
「〇〇的な‥」
どんな仕事でも、感覚的な言葉をふんだんに使ったやりとりがあります。気の合う人との感覚的な言葉の会話は、話しているだけで仕事が片付いていくように感じます。しかし、感覚的な言葉は、捉え方も双方の感覚に依存されますので、お互いの意図が合致するとは言い切れないことを注意しなければいけません。
 
「結局お任せって事かな」と勘ぐり、伝わった雰囲気をもとに自分なりに考えてやってみると、出てきた成果に対して「これじゃない」なんて言われ、やり直しする事態に陥ってしまうのは、よくある事ではないかと思います。
なぜこのような事が起きるのか。理由は至って単純で、「価値観や言葉の捉え方は人によって異なる」事を説明する側・される側がよくわかっていないからだと思います。
 
自分と似たような感覚を持っていると感じる人でも、価値観や言葉の捉え方は大きく違います。説明や指示をする時は「双方の捉え方がブレる事がない(少ない)基準」を定義しながら説明すれば、相手への伝わり方は格段に上がると思います。例えば
・(美容院で)バッサリと短めにお願いします…(←何センチ切るのか)
・(冠婚葬祭などで)常識的な金額で…(←年収300万の人と1000万の人では大分違います)
・(本人は気を使っているつもり)普通でいいです(←あなたの「普通」って何?)
・(一通り言いたい事を言った後に、締めの言葉として)「そんな感じでお願いします!」(←結局、どうして欲しいのかわからない)
 
曖昧な言葉を「認識がブレない共通語」にする
 
曖昧な言葉の使用を否定するつもりはないですが、正確に何かを伝えた方が良い場面(業務の指示・説明など)では、曖昧な言葉の使うのはよいとしても、曖昧な言葉が出てきたら「それは◯◯という事」と具体的な補足説明を入れ、説明をする側・される側の間で、曖昧な言葉に「認識がブレない」定義付けをしていく作業が必要だと思うのです。
そうした作業を続けていく事で、曖昧だった言葉がだんだん「認識がぶれない共通語」となっていきます。「認識がぶれない共通語」になった時、両者は阿吽の呼吸になったと言えることができるのです。
 
阿吽の呼吸とは一朝一夕ではできないもの。粘り強いコニュニケーションが大切なのです。
 
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 仕事で指示するときに意識したいと思う事

 

仕事で指示する時、意識した方が良いと考えるポイントは以下の2点です。

①誰がやるかを決める(責任範囲の共有)

②何をやるかを決める(完成形のイメージ共有)

あたり前のように思える事ですが、実践するとなると、なかなかで難しい事だと思います。

 

 誰がやるかをまず決める

 

例えばAとBという2つの作業(AとBの作業関連性は極めて低いとする)をX君とYさんの計2名に指示することになった時、最初に役割分担をしないで、X君とYさんへ同時に作業Aと作業Bの説明をしたとします。

指示するものにとっては一度で説明が済むので、効率的かもしれませんが、X君とYさんにとっては、自分の担当がはっきりしないので、A・B両方とも十分理解するべく、しっかりとその説明を聞かなければならなくなります。これ、聞く方としては結構負担です。なぜなら 、本来「1から10」理解すれば良いのに、さほど関連のない「11から20」までの事も理解しなければならないからです。

 

責任範囲を共有する

 

最初に「X君はA」、「YさんはB」と「責任範囲」を決めた上で説明すると自身の担当の情報を「1から10」知った上で、相手の担当の「1から10」の情報から自分に必要な情報を効率良く聞く事が出来ると思います。

 

何をやるかを決める

 

リオ五輪でも盛り上がったマラソン競技。この競技はスタート地点からゴール、そこへ至るためのコースは明確で誰もが理解しています。ですが仕事となるとそうはいきません。すべては自分たちで決めなければなりません。「誰がやるか」をスタート地点の設定ならば、「何をやるか」はゴール地点の設定といえます。

 

重要なのは、指示者と担当者間のゴール地点の認識一致(完成形のイメージ共有)

 

またマラソンで例えますが、選手と大会運営側でゴール地点をそれぞれ違う場所で認識していたらかなり滑稽なことです。もっともマラソン競技でこんなことはありえませんが仕事ではそんな滑稽なことはよくある事と思います。

ゴール地点の認識の違いでいままでやっていた作業に修正が入ったり、やり直しになったりするのです。それを防ぐため、事前のゴール地点の認識一致の作業はとても重要と思います。

粘り強い話し合いにするのか、資料を渡すのか、どのような作業でゴール地点の一致をさせるかはさまざまですが、これを意識しているかしていないかでその後の進行はかなり変わると思います。しかし、ゴールに到達するまでの方法は、(その手順がはっきりしているのであれば別ですが)、基本的には担当の人の裁量で進めるのが良いと思います。それは指示するもののやり方が絶対的に正しいとは限られないからです。

 

 

指示する側にとっては何度も同じような事を説明する事になり、その負担は多くなります、ですが総合的に見て、認識の差異によるミスもなく進行が上手くいきやすいのは、丁寧に説明する方だと思います。指示する者は、理解する負担を考慮しつつ、かつ相手を混乱させることがないように、説明の段取りをして欲しいと思うのです。

そしてそれを繰り返すことで、はじめて「阿吽の呼吸」で仕事ができるようになるのでは無いかと思います。

 

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